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井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 川井 大輔*; 横田 博紀*; 稲垣 嘉之; 久保 真治
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 5 Pages, 2020/08
熱化学水素製造法ISプロセスは、大規模水素製造法の候補の一つとして研究開発が進められている。ISプロセスの硫酸を蒸発・ガス化し、熱分解する工程の腐食環境は過酷であり、その環境に耐える機器材料にはセラミックスが用いられている。本研究では、脆性材料であるセラミックスを代替し得る、表面改質技術を用いて耐硫酸性と延性を兼ね備えるハイブリッド材料の開発を狙いとしている。プラズマ溶射技術とレーザー溶融処理技術の組み合わせより試作したハイブリッド材料試験片は、95%沸騰硫酸中で十分な耐食性を示した。これは、表面に形成させた高Si濃度の耐食層が硫酸環境で酸化し、接液面にSiO層が生成したためと考えられる。本技術による容器状構造体を試作した。本報では、容器状構造体の耐食性を向上するための実施した熱処理の結果と容器状構造体の耐食性評価方法について報告する。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
International Journal of Hydrogen Energy, 44(25), p.12583 - 12592, 2019/05
被引用回数:19 パーセンタイル:55.95(Chemistry, Physical)工業材料製の連続水素製造試験設備によるプラント機器技術(耐食性、機器性能)及び運転手順の信頼性を確証する水素製造試験に取り組んでいる。本プロセスを構成する3つの反応工程(ブンゼン反応工程,硫酸分解反応工程, HI分解反応工程)を連結した連続水素製造試験を実施し、10NL/h、8時間の水素製造に成功した。この試験を通じて明らかとなった高濃度ヨウ素溶液を移送する耐食定量ポンプの軸封部に固体ヨウ素が蓄積し、ポンプが停止する課題に対し、固体ヨウ素の溶解除去を狙いとした、気液を併用して軸封部に流通させる軸バリアを開発した。本技術開発を用いることで、20NL/h、31時間と水素製造時間を延伸させることに成功した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 久保 真治; 勝山 仁哉; 稲垣 嘉之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00619_1 - 15-00619_8, 2016/06
原子力機構では、高温ガス炉の利用系として水素を製造する熱化学水素製造法(ISプロセス)の研究開発を進めている。ISプロセスには、濃硫酸を沸騰させて分解する過酷な腐食環境が含まれている。この腐食環境で十分な耐食性を有する材料としては、Fe-高Si合金とSiCの2種類の脆性材料が報告されている。延性のある炭素鋼の内側に耐沸騰硫酸用のFe-高Si合金を遠心鋳造によりライニングした2層管を作製し、その特性評価を実施した。Fe-高Si合金ライニング部は、沸騰硫酸中でも十分な耐食性を示した。Fe/Fe-高Si合金界面の評価として、熱サイクル試験(100C900C)を実施し、界面はく離はなかったが、界面近傍に割れが発生した。これは、FEMによる解析により加熱時の引張応力と片状黒鉛の析出が原因と考えられる。しかし、十分な界面強度を有することを確認した。
井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 久保 真治; 稲垣 嘉之
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05
原子力機構では、高温ガス炉の利用系として水素を製造する熱化学水素製造法(ISプロセス)の研究開発を進めている。ISプロセスには、濃硫酸を沸騰させて分解する過酷な腐食環境が含まれている。この腐食環境で十分な耐食性を有する材料としては、Fe-高Si合金とSiCの2種類の脆性材料が報告されている。延性のある炭素鋼の内側に耐沸騰硫酸用のFe-高Si合金を遠心鋳造によりライニングした2層管を作製し、その特性評価を実施した。Fe-高Si合金ライニング部は、沸騰硫酸中でも十分な耐食性を示した。Fe/Fe-高Si合金界面の評価として、熱サイクル試験(100C-900C)を実施し、界面はく離はなく、十分な界面強度を有することを確認した。
倉田 有司; 橘 勝美; 鈴木 富男
日本金属学会誌, 65(4), p.262 - 265, 2001/04
熱化学水素製造プロセス(ISプロセス)では、腐食性の強いハロゲン及び硫酸を取り扱う。そのため、材料の機械的特性に及ぼす腐食の影響を調べることが必要である。本研究では、850の硫酸分解ガス環境において1000hの高温腐食を行った材料を用いて、高温引張特性に及ぼす腐食の影響を評価した。腐食試験装置にNガスと95%HSO(0.01mol/min)を流し、850で1000h、アロイ800H、ハステロイXR、インコネル600の強度試験片及び腐食試験片(短冊形及びU字曲げ)の高温腐食を行った。腐食は、表面腐食膜の形成、内部酸化と硫化からなる粒界侵食によって進行した。850での高温引張試験では、腐食後の材料の0.2%耐力、引張強さは、受入材の80%以上の値を示した。また、破断伸び、絞りも50%以上であることから、腐食による高温引張特性の著しい劣化は認められなかった。
井岡 郁夫; 森 順二*; 加藤 千明; 二川 正敏; 小貫 薫
Journal of Materials Science Letters, 18(18), p.1497 - 1499, 1999/00
被引用回数:8 パーセンタイル:36.52(Materials Science, Multidisciplinary)シリコンを15wt%以上含む鉄合金の硫酸中での耐食性発現機構を調べるため、沸騰硫酸下で生成した鉄-シリコン合金の耐食皮膜の特性を調べた。電解鉄(3N)とシリコン(4N)粉末を真空アーク溶解してFe-20%Si試験片を作製した。腐食試験は、50%及び95%の沸騰硫酸に浸せきして行った。50%硫酸の皮膜表面は金属光沢を、95%硫酸では金属光沢のない黒褐色を示した。オージェ電子分光法により、皮膜の組成は50%硫酸ではSiとO、95%硫酸ではSi,O,Sからなることがわかった。皮膜の生成速度は、95%硫酸の方が50%硫酸より約30倍速かった。また、X線光電子分光法により50%硫酸の皮膜はSiOであり、95%硫酸の皮膜はSiOとSiOであることがわかった。95%硫酸の皮膜中のSは分子状のままで存在する硫酸分子のSへの還元反応により生成される。両者の皮膜生成速度の違いは皮膜自体の緻密さによるものと考えられる。
井岡 郁夫; 小貫 薫; 二川 正敏; 栗木 良郎*; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎
材料, 46(9), p.1041 - 1045, 1997/09
95wt%硫酸及び50wt%硫酸の沸騰環境におけるFe-Si合金の腐食挙動を調べた。合金の耐食性は、硫酸組成に応じて特定のSi含有量にて急変した。合金を不働態化するために必要な臨界組成は、95wt%硫酸では9~10%Si,50wt%硫酸では12~15%Siの範囲に存在する。耐食性合金表面に形成される酸化皮膜をオージェ分光及びX線回折により調べた結果、皮膜は非晶質のSiOから成り、酸化性の95wt%硫酸中で生成する場合はSを含み、還元性の50wt%硫酸中で生成する場合はSを含まないことが判明した。皮膜成長速度は、母材のSi含有量と硫酸濃度に大きく依存した。
二川 正敏; 小貫 薫; Steinbrech, R. W.*
表面技術, 48(6), p.88 - 89, 1997/00
反応焼結法により形成されるシリコン含浸型炭化ケイ素(SiSiC)は、焼成過程における熱収縮が小さいために比較的大型構造物を作製し易いこと、長時間ではないが高温特性(変形、強度及び破壊靱性値)がシリコンの融点である1410Cまではほぼ一定であること、さらに腐食環境に対する保護膜となるシリカ皮膜の形成が期待できるなどの点から、一般金属材料では耐え得ない特殊環境下で使用できる構造材料として有望である。熱化学水素製造IS(Iodine-Sulfur)プロセスでは沸騰濃硫酸腐食環境下で耐える装置材料の選定が重要な課題であり、SiSiCは上述した理由により候補材料の一つである。そこで、SiSiCについて、沸騰95wt%硫酸中で1000時間に及ぶ腐食試験を実施し、腐食後強度試験及び破壊面観察及び皮膜の元素分析結果から沸騰濃硫酸腐食環境に対する耐食性を検討した。その結果、硫酸腐食後にシリカ皮膜が形成され、硫酸腐食、高温酸化、酸化+腐食後の曲げ強度には劣化がないことが分かった。これは、硫酸腐食環境中下でintrinsic/extrinsic flawに対するSiSiCの自己修復機能の発現を示唆している。
小貫 薫; 井岡 郁夫; 二川 正敏; 中島 隼人; 清水 三郎; 田山 一郎*
材料と環境, 46(2), p.113 - 117, 1997/00
熱化学水素製造法ISプロセス用装置材料の候補材選定を目的とした腐食試験を実施した。試験は微量のヨウ化水素酸を含む50wt%硫酸の95C及び120Cの環境、及び200~400CのHI/I/HOの混合気体環境にて行った。前者の環境では、タンタル、ジルコニウム、透明石英ガラス及び鉛が優れた耐食性を示した。テフロンPFAは、素材自体は耐食性を示したがヨウ素の浸透が認められた。後者の環境では、チタン及びハステロイC-276が優れた耐食性を示した。インコネル600及び1Cr-1/2Moもこれらに次ぐ小さな腐食速度であったが、インコネル600には粒界浸食が認められた。
小貫 薫; 中島 隼人; 井岡 郁夫; 二川 正敏; 清水 三郎
JAERI-Review 94-006, 53 Pages, 1994/11
熱化学水素製造法ISプロセスに関して、原研及び各国の研究機関で進められてきた研究開発の成果をとりまとめた。これまでに、要素反応及び生成物分離方法の研究から、いくつかの実行可能なプロセス条件が見い出されている。それらの知見にもとづいたプロセスフローシートの検討から、効果的な排熱回収を組み込んだ最適プロセス条件の下で40%を越える熱効率の期待できることが示された。装置材料に関して、1000時間程度の耐食試験により、腐食性の強いプロセス環境に対する市販材料の耐食性を明らかにした。現在、プロセスの全基本工程を組み込んだ実験室規模プラントの運転試験により、閉サイクル運転条件の検討を進めている。HTTR接続試験に進むために必要な研究開発について議論した。
諏訪 武; 栗林 伸英*; 石毛 洋一; 後藤 覚司*; 安宗 武俊*; 立川 圓造
JAERI-M 92-133, 147 Pages, 1992/09
原子炉解体前の系統化学除染及び解体後の機器除染に適用可能な、硫酸-セリウム(IV)(SC)溶液及び硫酸単独溶液を用いる化学除染法の開発研究を進めてきた。化学除染プロセスでは、高い除染効果の達成と共に、除染による二次廃棄物発生量の低減化を計る必要がある。この観点から各種廃液処理試験を行い、廃液の性状に応じて適切な廃液処理プロセスを選択できるようにした。本報告は、SC除染プロセスの概要、廃液処理試験の概要、電気透析と拡散透析を中心とした廃液処理基礎試験結果、及び解体前系統除染法と解体後機器除染法における廃液処理プロセスのモデル評価、二次廃棄物発生量の低減効果等について検討した結果をまとめたものである。
諏訪 武; 栗林 伸英*; 安宗 武俊*; 立川 圓造
Proc. of 1991 JAIF Int. Conf. on Water Chemistry in Nuclear Power Plants: Water Chemistry,91, p.737 - 742, 1991/00
原子炉解体関連の化学除染技術は、解体時における従業員の被爆低減を目的とした解体前の系統除染と解体後の機器除染に大別される。機器除染法は、解体時に大量に発生する汚染金属廃棄物の減容、更には再利用を図るために国内外で盛んに研究開発が進められている。汚染金属を無拘束レベルまで除染するためには、表面に付着したクラッドのみならず母材内部にまで拡散した放射性核種をも除去する必要がある。本法では、硫酸-セリウム(SC)溶液を用いた機器除染について、除染効果、各種金属材料の腐食速度、廃棄処理等の基礎試験結果を報告する。更に基礎試験に基づいた標準除染条件、基本的な除染プロセス等について紹介する。JPDR除染金属はSC溶液によって、母材を30m程度溶解すれば1Bq/cm以下になり、十分一般廃棄物にすることが可能である。
諏訪 武; 栗林 伸英; 安宗 武俊*
デコミッショニング技報, (2), p.29 - 40, 1990/00
機器除染法は、原子炉解体時に大量に発生する汚染金属廃棄物の減容、更には再利用を図るために国内外で盛んに研究開発が進められている。汚染金属を無拘束レベルまで除染するためには、表面に付着したクラッドのみならず母材内部にまで拡散した放射性核種をも除去する必要がある。本報では、硫酸-セリウム(SC)溶液を用いた解体後機器除染について、開発試験の概要、除染効果、各種金属材料の腐食(溶解)、速度、廃液処理等の基礎試験結果を報告する。更に基礎試験に基づいた標準除染条件、基本的な除染プロセス等について紹介する。JPDR汚染金属はSC溶液によって、母材を30m程度溶解すれば1Bq/cm以下になり、十分一般廃棄物にすることが可能である。
諏訪 武; 栗林 伸英; 吉田 善行; 立川 圓造
電気化学, 54, p.974 - 976, 1986/00
サイクリックボルタンメトリーを適用して、硫酸および硝酸溶液中におけるFe,Cr(VI),Ni共存下におけるCe濃度の測定法を確立した。標準測定条件は、電位掃引範囲1.55~-0.5V(VS Ag/Agcl)、掃引速度50mV/S、回転速度1000rpmである。測定に必要な試料液量はCe濃度110M前後で110dmである。本測定法を確立したことにより、HSO-Ce系溶液における除染、腐食、金属酸化物の溶解試験時のCe消費量を測定できるようになった。
諏訪 武; 栗林 伸英; 立川 圓造
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(7), p.622 - 632, 1986/00
被引用回数:6 パーセンタイル:59.04(Nuclear Science & Technology)種々のクロム含有模擬クラッドの溶解および放射能汚染試料の除染効果(DF)について、硫酸-セリウム(IV)溶液(SC)と既存の代表的除染剤を用いて比較検討を行った。SC溶液は高クロム含有クラッドに対し、CrだけでなくFeとNiも同時に溶解することを見出した。クラッドの溶解は主にCe(IV)濃度(1.3~1010M)と温度(40~90C)に依存し、硫酸濃度(0.2~0.5M)には依存しない。0.25MHSO-510MCe(IV)溶液、90C24時間で、DF=33を得た。一方、Ce(III)からCe(IV)への電解再生下では、0.25MHSO-1.310MCe(IV)、80C、24時間でDF=460を得た。さらに、本除染法と超音波洗浄を組合せることにより、残留表面放射能を110Ci/cm以下にできたことから、解体後機器の除染への適用も可能であることを明らかにした。
岩月 仁; 井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 久保 真治; 稲垣 嘉之
no journal, ,
熱化学法ISプロセスは、原料となる水とヨウ素や硫黄の複数の化学反応を組み合わせることによって、外部に有害物質を排出せずに、1000度以下の熱で水素と酸素を製造することができる水素製造法である。本プロセスで用いる機器は厳しい腐食環境に曝されるが、最も過酷なのは、硫酸を蒸発分解する過程である。本環境における材料の耐食性を向上させるため、耐食性を有する材料と加工性・強度に優れた構造材料を複合化したハイブリッド材料の開発を行っている。本材は、母材とする汎用耐食金属の表面に、プラズマ溶射レーザー処理を用いて、硫酸環境において優れた耐食性を示すシリコン(Si)を皮膜として形成させたものである。試作した試験片を用い、硫酸濃度が47wt%, 95wt%の沸騰硫酸環境における腐食試験を実施した。47wt%硫酸沸騰環境の試験結果では、時間経過と共に腐食速度の減少が認められた。これは、Si層皮膜が硫酸に酸化され、耐食性が向上したものと思われる。95wt%硫酸沸騰環境の試験結果では、腐食速度が0.1mm/y未満と良好な耐食性が認められた。
井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 久保 真治; 稲垣 嘉之; 坂場 成昭
no journal, ,
水素は将来の有望なエネルギー源である。熱化学水素製造法(ISプロセス)は、太陽熱による大量水素製造システムの候補の一つである。ISプロセスには、硫酸の熱分解を行う高温、高酸化性の厳しい環境が含まれている。ISプロセスを工業レベルのシステムに拡張するには、耐食性を有する構造用材料の開発がキーファクターの一つである。我々は、プラズマ溶射レーザー処理により、耐食性と延性を有する材料を開発し、良好な耐食性を確認した。プラズマ溶射レーザー処理材の構造用材料としての適応性を確認するため、曲面を持つプラズマ溶射レーザー処理材を作製して、その耐食性を320Cの98wt%沸騰硫酸腐食試験により調べた。曲面の表面層にクラックが確認されたが、クラック先端の腐食は認められなかった。腐食速度は小さく、沸騰硫酸中でも円柱状開発材は十分な耐食性を有することを確認した。
井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 久保 真治; 稲垣 嘉之; 坂場 成昭
no journal, ,
熱化学水素製造法(ISプロセス)は、大規模水素製造法の候補の一つである。ISプロセスには、硫酸を熱分解する厳しい環境が含まれている。そのため、耐硫酸性と延性をもつハイブリッド材料の開発を進めている。プラズマ溶射とレーザー処理により作製したハイブリッド材料は、95%沸騰硫酸中で十分な耐食性を示したが、47%沸騰硫酸中では腐食速度が50倍程度増加した。この原因は、表面の割れが十分に封止されなかったためと考えられる。47%沸騰硫酸中での耐食性を高めるため、ハイブリッド材に酸化処理を施した。酸化処理材の47%沸騰硫酸中での腐食速度は低下した。本酸化処理がハイブリッド材の耐食性向上に有効であることを確認した。